日本人には余白の美学というものがあります。
書や生け花を見たときに感じる解放感や余韻からは、想像力を掻き立てられ、
落語や噺家の時折の間(余白)からは臨場感や説得力を感じさせられます。
私たちも建物の外観やインテリアのデザインに対して、余白というものを意識的に考えるわけですが、
デザインには誰もがすぐに活用でき、かつ効果的な基本ルールが存在しますので、壁に絵を飾りたい、お庭に木を植えたいときなど、参考にしていただければと思います。
まずはこちらの画像をご覧ください。画面中央に置かれたリンゴを見て、きっとあなたはリンゴ全体を見つめていると思います。
次にこちらの画像をご覧ください。リンゴの位置が右側にずれたことで、左側に余白が広がり、ストーリー性を感じるのではないでしょうか?
ここでのルールというのは、上の画像はモノの主張をしたい時、下の画像は余韻や想像を与えたい時に有効な配置の仕方になります。
では、次に大小2つのリンゴがある場合、どのように配置することが望ましいのでしょうか? (わかりやすいように枠をもうけてあります。)
こちらの画像をご覧ください。
真ん中に余白がありますが、余白を意識することなく、左と右のリンゴを見比べていると思います。
では、次にこちらの画像をご覧ください。
今度は大きいリンゴが中央に寄っています。
余白が大きいリンゴの左右に生まれ、先ほどの画像よりも、大きいリンゴが主張されて見えていると思います。
また、枠全体を見渡した時に、先程の画像に比べて安定感があり、バランス良く感じると思います。
ここでは2つのポイントがあります。
1つは、上下もしくは左右に余白があると、主張するということです。例えば、名刺やはがきの中央には名前があり、上下もしくは左右に余白がありますよね。
もちろん、大きさや色によっての主張もありますが、余白があることでも主張されるということです。
人も、自己アピールで印象付ける人と、余白というベールに包まれたような印象を残す人もいますよね。ちょっと意味ちゃうか。(>_<)
もう1つは、モノは重さを感じるため、モノの重さを見定めて、全体の重心を考慮することが大切だということです。
バランスを保つことで、全体に安定感が生まれるのです。
なお、このことを熟知した上で、あえて重心を中心からズラすことも、もちろん有効なテクニックです。
最後にズラしたい時の配置(余白とのバランス)についてお伝えします。
基本的には3分割で考えることが有効です。
これは、レイアウトに限った技法ではないのですが、
上の画像の赤いマルを中心と考えて配置することで、視覚の上でのバランスが取れ、安定感が生まれますので、
覚えておかれると良いと思います。
ちなみに、下の画像は三分割点と黄金分割点との違いで、ほんのわずかな違いとなります。この違いがいつかどこかで気付いてもらえると、価値になるかもしれません。(^^)
いかがでしたか?
どれも簡単に使えるルールです。玄関の正面やダイニングの壁に絵を飾りたい時、庭にシンボルツリーを植えたい時など、
参考にしてみていかがでしょうか?(^^)
franka…